プログラム

講演日程およびプログラム

講演プログラム(外部リンク)

日程

  • 3月7日(月)
    ワークショップ
  • 3月8日(火)
    一般講演・特別講演
    学生ポスターセッション
  • 3月9日(水)
    一般講演・受賞記念講演・特別セッション
    授賞式
  • 3月10日(木)
    一般講演・特別講演

企画

一般講演
学生ポスターセッション
特別講演
受賞記念講演
特別セッション
招待講演
チュートリアル
ワークショップ

特別講演

以下の特別講演が開催されます.

プレナリー講演

“深宇宙探査機の自律化:過去、現在、未来”

日時・場所

3月10日(木)13:00~13:50・オンライン開催

講師

小野 雅裕(NASAジェット推進研究所(JPL))

概要

本講演は,2021年2月に火星に着陸したNASAのローバー・パーサヴィアランスから話を起こす.ハードウェアは先代のローバーであるキュリオシティ(2012年着陸)とほとんど変わらないが,ソフトウェアはいくつかの面で大幅な高度化が施され,より自律的にミッションを遂行できる設計になっている.一般的に,深宇宙ミッションは全てを地上からのリモートコントロールで遂行するのは不可能であり,程度の差こそあれ,昔からオンボードのソフトウェアによる自律化は必須要件であった.より高速な宇宙用オンボード・コンピューターの出現や,深層学習など新たなソフトウェア技術の発展に伴い,宇宙機の自律化は今後さらに進み,これまで訪れることができなかった目的地の探査も可能になっていくだろう.その展望と,現在行われている研究の何点かを,本講演の後半において紹介する.

講師略歴

小野 雅裕

小野 雅裕(おの まさひろ)君

NASAジェット推進研究所・Robotic Surface Mobility Groupグループリーダー.1982年大阪生まれ.東京育ち.2005年東京大学工学部航空宇宙工学科卒業.2012年マサチューセッツ工科大学 (MIT) 航空宇宙工学科博士課程および同技術政策プログラム修士課程修了.2012年4月より2013年3月まで慶應義塾大学理工学部助教.2013年5月より現職.現在は火星ローバー・パーサヴィアランスの運用やソフトウェアの開発に携わる他,将来の探査機の自律化に向けた様々な研究を行なっている.著書に『宇宙を目指して海を渡る』,『宇宙に命はあるのか』,『宇宙の話をしよう』.ミーちゃんのパパ.阪神ファン.好物はたくあん.

ISCS Plenary Talk

“Learning and Forecasts in Autonomous Systems”

日時・場所

3月8日(火)9:30~10:20・オンライン開催

講師

Francesco Borrelli, University of California, Berkeley, USA

概要

 The complexity of modern autonomous systems has grown exponentially in the past decade. Today's control engineers need to deliver high performance autonomy which is safe despite environment uncertainty, is able to effectively interact with humans, and improves system performance by using data processed on local and remote computing platforms.
 Employing predictions of system dynamics, human behavior and environment components can facilitate such task. In addition, historical and real-time data can be used to bound forecasts uncertainty, learn model parameters and allow the system to adapt to new tasks.
 Our research over the past decade has focused on control design for autonomous systems which systematically incorporate predictions and learning. In this talk I will first provide an overview of the theory and tools that we have developed for the designing of learning predictive controllers. Then, I will focus on recent results that use data to efficiently formulate stochastic control problems which autonomously improve performance in iterative tasks. Throughout the talk I will show the benefits of the proposed techniques by presenting real-world implementations in the area of connected and automated cars, collaborative robotics and large scale solar power plants.

講師略歴

Francesco Borrelli

Francesco Borrelli

 Francesco Borrelli received the 'Laurea' degree in computer science engineering in 1998 from the University of Naples 'Federico II', Italy. In 2002 he received the PhD from the Automatic Control Laboratory at ETH-Zurich, Switzerland. He is currently a Professor at the Department of Mechanical Engineering of the University of California at Berkeley, USA. He is the author of more than one hundred fifty publications in the field of predictive control. He is author of the book Predictive Control published by Cambridge University Press, the winner of the 2009 NSF CAREER Award and the winner of the 2012 IEEE Control System Technology Award. In 2016 he was elected IEEE fellow. In 2017 he was awarded the Industrial Achievement Award by the International Federation of Automatic Control (IFAC) Council.
 Since 2004 he has served as a consultant for major international corporations. He was the founder and CTO of BrightBox Technologies Inc, a company focused on cloud-computing optimization for autonomous systems. He is the co-director of the Hyundai Center of Excellence in Integrated Vehicle Safety Systems and Control at UC Berkeley. His research interest are in the area of model predictive control and its application to automated driving and energy systems.

受賞記念講演

以下の受賞記念講演が開催されます.

パイオニア賞受賞記念講演

“Congruences and Quotients: Understanding Structural Reduction and Decomposition”

日時・場所

3月9日(水)9:30~10:10・オンライン開催

講師

Kai Cai (Osaka City University)

概要

 An effective approach to understanding large complex dynamic systems is to reduce their sizes, or decompose their monolithic structures into simpler components. In this talk, we introduce an algebraic framework for property-preserving structural reduction and decomposition based on congruences, i.e. binary relations that respect system dynamics. Given a dynamic system with a property of interest, we construct a congruence for the property and show that the corresponding quotient structures yield reduced or decomposed structures which preserve that property. We illustrate the generality of this framework with two existing methods as examples: bisimulation based reduction in hybrid control and supervisor localization in discrete-event systems. Finally we introduce an application of this framework in multi-robot systems.

講師略歴

Kai Cai

Kai Cai

 Kai Cai received the B.Eng. degree in Electrical Engineering from Zhejiang University, Hangzhou, China, in 2006; the M.A.Sc. degree in Electrical and Computer Engineering from the University of Toronto, Toronto, ON, Canada, in 2008; and the Ph.D. degree in Systems Science from the Tokyo Institute of Technology, Tokyo, Japan, in 2011. He is currently a Professor at Osaka City University. Previously, he was an Associate Professor at Osaka City University (2014--2020), an Assistant Professor at the University of Tokyo (2013--2014), and a Postdoctoral Fellow at the University of Toronto (2011--2013).
 Dr. Cai's research interests include discrete-event systems, cyber-physical systems, and networked multi-agent systems. He is the co-author (with W.M. Wonham) of Supervisory Control of Discrete-Event Systems (Springer 2019) and Supervisor Localization (Springer 2016). He is serving as the Chair for the IEEE CSS Technical Committee on Discrete Event Systems and an Associate Editor for the IEEE Transactions on Automatic Control. He was the recipient of the Pioneer Award of SICE in 2021, the Best Paper Award of SICE in 2013, the Best Student Paper Award of the IEEE Multi-Conference on Systems and Control, and the Young Author’s Award of SICE in 2010.

パイオニア技術賞受賞記念講演

“実システムに使えるゲインスケジュールド制御に向けて”

日時・場所

3月9日(水)15:50~16:30・オンライン開催

講師

佐藤 昌之(宇宙航空研究開発機構(JAXA))

概要

航空機のような動作環境が大きく変化するシステムを制御する場合,単一の制御器を用いて全ての動作環境に対応させることは容易ではない.このような問題に対する解としてゲインスケジュールド制御が有効であり,飛行制御の分野では非常に古くから用いられている.しかし,古典的なゲインスケジュールド制御では設計の手戻りが大きく,かつ経験とカンに依る部分が多く,統一的な制御器設計法が望まれていた.このような背景から,H ∞制御器設計法を拡張した Linear Parameter-Varying (LPV) 型ゲインスケジュールド制御器設計法は非常に有望な方法として1990年代に提案され,実システムへの適用も行われてきた.しかし,現実のシステムへの実装面に関する配慮は十分とは言えず,いくつかの実装上の問題が残っていた.本講演では,これらの実装上の問題とその解決方法,さらに JAXA の実験用航空機 MuPAL-αによる有効性実証実験を紹介する.また,提案する解決方法の応用として,魚眼レンズを用いたビジュアルフィードバック制御における画像の歪みに対するロバスト制御への展開についても紹介する.

講師略歴

佐藤 昌之

佐藤 昌之(さとう まさゆき)君

1997年名古屋大学大学院工学研究科航空宇宙工学専攻博士前期課程修了.同年,科学技術庁航空宇宙技術研究所(現,宇宙航空研究開発機構)入所.2009年に博士(工学)を取得.線形行列不等式を用いた制御系設計とその飛行制御への応用に関する研究,および複数の無人航空機開発プロジェクトに従事.2016年~2019年に,日欧共同による耐故障飛行制御研究プロジェクト”VISION”の”Principal Investigator (PI)を務める.

特別セッション

制御理論シンポジウム50回記念特別セッション「制御理論の未来と挑戦」

主催・企画 

SICE 制御部門 制御理論部会

日時・場所

2022年3月9日(水)10:30~12:20,13:30~15:30・オンライン開催

講師 

井手 剛(米国IBM),岩見 真吾(名古屋大学),牛房 義明(北九州市立大学),林 和則(京都大学)

パネラー

石川 将人(大阪大学),加納 学(京都大学),永原 正章(北九州市立大学),西村 悠樹(鹿児島大学),早川 朋久(東京工業大学)

概要

制御理論シンポジウムは今回が第50回の開催です.この記念すべき機会に,他分野との関係の中で制御理論の立ち位置を確認し,その課題と可能性を検討することを通して,今後進むべき道について議論したいと思います.第1部の「制御理論の未来」では,制御理論の隣接分野の研究者から,ご自分の分野についてご紹介いただき,制御理論の未来を考えるきっかけをいただきます.これを踏まえて第2部の「制御理論の挑戦」では,制御理論の研究者によるパネルディスカッションを行い,制御理論が進むべき道について議論します.

プログラム

10:30~10:40(10分)趣旨説明 足立 修一(ゲストオーガナイザ,慶應義塾大学)

第1部 制御理論の未来

10:40~11:05(25分)米国から見た機械学習の今 井手 剛(米国IBM)

それまで情報科学の地味な一分野に過ぎなかった機械学習は,過去数年の間に,他の学術分野のみならず社会一般にも何らかの影響を与えうる存在になった.言語・音声・画像における深層学習の成功は,人間のデータ分析スキルはもはや不要との見方を生み出し,マスメディアにおいてはAI脅威論がさかんに論じられた.やや視点を引いて眺めれば,これらの動きは,国際社会における米中の二極化と,その陰画としての日本の没落と軌を一にしているようにも見える.米国においてこれらの動きの中に身を置いてきた立場で,機械学習の今について個人的な見解を語ってみたい.

11:05~11:30(25分)数理モデル駆動型の異分野融合生物学研究 岩見 真吾(名古屋大学)

近年,最先端計測機器の登場により,生命を構成する最小単位である個々の細胞レベルで生命現象を理解する試みが始まっています.これらのアプローチには多種多様かつ膨大なデータを伴いますが,巨大データが持つ情報を100%抽出し,利用することは極めて困難です.従来の手法で取得される臨床・実験データでさえ,内包する情報を不完全にしか利用できていない場合もあります.しかし生命現象は本質的に高次元で非線形であることを考えれば,数理科学,情報学,物理学など,異なる分野で開発されてきた理論や蓄積されてきた知見を利活用することで,データを制することが期待できます.本講演では,数理モデルとコンピューターシミュレーションを駆使したデータ解析がどのように現実社会の問題を解決していくかを最近の研究成果を交えて発表したいと思います.

11:30~11:55(25分)脱炭素社会実現に向けた次世代エネルギーシステムのデザイン 牛房 義明(北九州市立大学)

2020年10月に政府が2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする脱炭素,またはカーボンニュートラルを表明したことで,カーボンニュートラル実現に向けての取り組みが様々な分野で行われています.またアカデミックの世界では,1つの学問領域にとどまらず,複数の学問領域の融合や文理融合でカーボンニュートラル実現に向けての研究が進められています.本講演では,AI ×行動経済学×制御理論と掛け合わせることにより,エネルギー分野でどのような貢献ができるのかをこれでまで実施してきたフィールド実証のエビデンスにもとづいて紹介します.

11:55~12:20(25分)離散性とスパース性を利用した過負荷IoT信号検出 林 和則(京都大学)

線形観測から未知ベクトルを再構成する問題は,通信路等化や通信路応答推定,MIMO信号検出,IoT信号検出など様々な無線通信の問題に現れる.従来,線形観測の数は未知ベクトルの次元以上であることが必要とされていたが,多くの場合,限られた無線資源を有効に活用するためにより少ない線形観測から未知ベクトルを再構成(推定)できることが望ましい.本講演では,圧縮センシングのアイデアを用いることで,無線信号の有する離散性やスパース性を利用し,未知ベクトルの次元よりも少ない線形観測から信号を検出可能な手法について説明する.

12:20~13:30(70分)休憩

第2部 制御理論の挑戦

13:30~15:30(120分)パネルディスカッション
パネラー:石川 将人(大阪大学),加納 学(京都大学),永原 正章(北九州市立大学),西村 悠樹(鹿児島大学),早川 朋久(東京工業大学)

講師略歴

井手 剛

井手 剛(いで つよし)君

苫小牧工業高等専門学校(機械工学科),東北大学工学部(機械工学科,編入)を経て,2000年に東大大学院物理学専攻博士課程修了.博士(理学).同年IBM東京基礎研究所.液晶ディスプレイの応用研究を経て,2005年ころからデータマイニング,機械学習の産業応用に幅広く従事.2013年から米IBMのThomas J. Watson Research Center.

岩見 真吾

岩見 真吾(いわみ しんご)君

2005年大阪府立大学工学部数理工学科卒業,2007年同大学院工学研究科電子・数物系専攻博士前期課程修了.その後,静岡大学創造科学技術大学院自然科学系教育部環境・エネルギーシステム専攻に編入し,1年間短縮して2009年博士(理学)を取得.2009年以降,日本学術振興会・特別研究員PD,科学技術振興機構さきがけ研究者を経て,2011年九州大学理学研究院生物科学部門准教授に着任.2015年には仏国のINSERMにVisiting Professorとして滞在.2020年より現職,名古屋大学大学院理学研究科生命理学専攻教授.

牛房 義明

牛房 義明(うしふさ よしあき)君

2019年 京都大学大学院経済学研究科博士課程修了.博士(経済学).北九州市立大学講師・助教授・准教授(2001-2020年)を経て,現在,同大学教授.同大学環境技術研究所都市エネルギーマネジメント研究センター副センター長,地域戦略研究所SDGs推進部門の兼任所員.専門は環境経済学,エネルギー経済学.Energy, Energy Policy, Energy and Buildings, The Electricity Journalなどの学術誌に論文を発表.

林 和則

林 和則(はやし かずのり)君

2002年大阪大学大学院博士後期課程修了.同年より京都大学大学院情報学研究科助手,同助教,同准教授,大阪市立大学教授を経て,2020年より京都大学国際高等教育院・大学院情報学研究科教授.現在に至る.無線通信,統計的信号処理の研究に従事.博士(工学).IEICE, ISCIE, IEEE, APSIPA Member.

招待講演

「科学観測用固定翼UAVの開発と観測」

主催・企画 

SICE 制御部門 次世代航法誘導制御技術調査研究会

日時・場所

3月9日(水)13:30~14:30・オンライン開催

講師 

東野 伸一郎(九州大学)

概要

マルチコプタに押されて日本国内ではほとんど活躍の機会が無い固定翼UAVであるが,垂直あるいは水平方向に数10km~数100kmの広い領域を調査する必要がある科学調査分野においては大いに活躍する.筆者は,南極の極寒環境において,気球と組み合わせた固定翼UAVの自動帰還によって高度20km程度までの空中エアロゾルサンプルを持ち帰るシステムや,南極およびアフリカの極寒/酷暑環境において,200~300kmの飛行距離を要する地球磁場探査UAVシステムを開発し,実際に現地での観測を実施してきた.それらの開発および観測にまつわる話と,その過程で偶然生まれ,現在開発を進めているフラットスピンによる固定翼UAVの自動垂直着陸システムについて講演する.

講師略歴

東野 伸一郎

東野 伸一郎(ひがしの しんいちろう)君

1988年,九州大学大学院 工学研究科 応用力学専攻修了.川崎重工業株式会社・技術研究所,技術開発本部勤務を経て,九州大学助手.1999年博士(工学)の学位取得.九州大学講師を経て2010年より同准教授.2001年,米国ワシントン大学客員研究員.2012年および2014年,第54次および第56次日本南極地域観測隊夏隊員.2021年,JAXAの客員研究員を務める.一貫して固定翼UAVの高度化と応用について研究してきた.自家用操縦士(陸上単発,滑空機)の資格を有し,定期的に熊本県阿蘇市でグライダーの飛行を楽しんでいる.

チュートリアル

以下のチュートリアルが開催されます.

チュートリアル1(プラントモデリングシンポジウム チュートリアル)

「激動の時代を生き残るためのモデルベース開発の最新動向」

主催・企画 

SICE 制御部門 プラントモデリング部会

日時・場所

2022年3月9日(水)10:30~12:30,13:30~15:30・オンライン開催

講師 

石川 誠司(イータス),安野 芳樹(SOLIZE),中里 雄一(サイバネットシステム),南部 朋和,三神 貴(東陽テクニカ),星野 弘道(シーメンス)

概要

産業界においては,開発・設計プロセス効率化のためのモデルベース開発が盛んに取り組まれ始めて久しく,ニーズの変化に素早く対応する上でその重要性の高さはおおむね共通認識として定着したと言ってよいであろう.近年では,急速に進歩する人工知能技術を取り込むことで,更なる効率化・高性能化を目指した新たな潮流が生まれつつある.一方で,直近では自動車業界における急速なEVシフトに伴う産業構造の変化,新型コロナ禍による社会構造の変化など,我々の社会は数年前からは想像もつかない程の劇的な変化の局面を迎えており,産業界はまさに生き残りを懸けた構造改革や開発競争のさなかにある.このように切迫した局面にあって,モデルベース開発の果たす意義はより拡大すると同時に,より一層の発展が強く求められるであろう.以上の背景を受け,今回は「激動の時代を生き残るためのモデルベース開発の最新動向」と題し,モデルベース技術や開発ツールに関する最新動向を実例を交えて紹介し,今後の社会の変化を見据えた更なる技術発展に向けて議論を深めたい.

プログラム

10:30~11:30(60分)条件付き敵対的生成ネットワークで合成した擬似運転者入力パターンのmf4ファイル提供サービスについて 石川 誠司(イータス)

イータス(株)では,人工知能:条件付き敵対的生成ネットワーク,を利用したDCG: Drive Cycle Generationというクラウドサービスを提供しております.これは,Real Drive Emissionの仮想化シミュレーションの際に,入力として必要となる,実運転者の振る舞い=どのような速度で走行したか,を実走行することなく合成し,mf4ファイル形式で提供するサービスです.講演では,DCGの技術概要と生成されたmf4ファイルについて解説いたします.

11:30~12:30(60分)車両ダイナミクス・電動化・自動運転のモデリングとシミュレーション技術 安野 芳樹(SOLIZE)

自動運転やEVが普及拡大してもクルマの基本が “走る・曲がる・止まる”というダイナミクスであることに変わりはなく,自動車のモデルベース開発において“走る・曲がる・止まる”をシミュレーションでリアルに再現することの重要性はますます高まってゆくと考える.リアルな再現にはメカニカルな部分に加え,今日のクルマで標準となっている様々な制御システムも含めたモデリングが必須である.当社は自動車業界での長年の経験を活かし粒度・精度のバランスに優れたモデル開発を進めており,培った技術をお客さまへエンジニアリングサービスとして提供している.本講演では,当社の車両ダイナミクス・電動化・自動運転に関わるモデリングとシミュレーション技術を具体例を交え紹介する.

12:30~13:30(60分)休憩
13:30~14:30(60分)実験とCAEの協調による開発初期段階での音振動予測 中里 雄一(サイバネットシステム),南部 朋和,三神 貴(東陽テクニカ)

試作車がない開発初期段階での音振動予測や,OEMとサプライヤにおけるモジュール式開発に適したコンポーネントTPAの手法が注目を集めている.従来の開発は,設計変更に応じて,製品全体の試験/評価が必要になり,膨大な試験/評価を必要とすることが多い.一方,モジュール式開発は部品ごとの試験/評価を行い,後工程で部品ごとのデータを組み合わせ仮想的に試験/評価を行えるという考え方である.コンポーネントTPAは,正確に同定したコンポーネント由来の入力 (blocked force) を,サブストラクチャリングと呼ばれる手法を用いて部品ごとのFRFを結合した全体モデルに入力することで,製品全体のNVH性能を様々な組み合わせで評価が可能となる.本手法はFEMモデルとの結合も可能であり,実験で得られた精度の高いデータと結合することで2~3kHzまでの周波数帯域を精度よく評価できる.本講演では,このコンポーネントTPAと呼ばれる手法を実現するツールについて,実験とFEMを結合したハイブリッドモデルでの音振動予測の事例を交えながら紹介する.

14:30~15:30(60分)モデルベース開発による効率化を推進する最新ソリューション 星野 弘道(シーメンス)

日本においてモデルベース開発の推進が始まり,長い年月が経ちました.今では,中国やその他の地域でもモデルベース開発が始まり,ますます,厳しいグローバル競争が展開されており,さらに,車両の開発期間の短縮化が進んでいます.日本の自動車業界は,今まで世界をリードしてきた業界であり,今まで蓄積されてきた多くの資産や知見をベースに開発が進められており,新たな仕組みや技術の採用の障害になる事があります.一方で,中国をはじめとする過去の資産が多くない地域では,積極的に新しい技術を導入することができます.このようなグローバル環境における競争を勝ち抜くためには,最終製品である車両システムの開発を実現し,過去の資産を最大限に活用しながら,新しい技術を導入し易くするための仕組みづくりが必要です.シミュレーションモデルを活用して効率化を推進するためには,開発対象物の現象を目的に合った粒度で正しく表現することと,開発したモデルを正しく使用できるようにすることが重要です.車両アーキテクチャをベースにモデルを準備し,さらに効率化を実現する事も可能です.また,非線形な現象など,モデル化が難しい現象については,先端技術を活用したモデリングも有効です.ここでは,これらを実現するシーメンスのソリューションと活用例を紹介します.

講師略歴

石川 誠司

石川 誠司(いしかわ せいじ)君

1989年大阪大学大学院工学研究科修士課程修了.日系自動車部品メーカー,外資系半導体メーカーを経て2017年イータス(株)入社.2019年よりTest and Validation関連製品の技術サポート部シニアマネージャー.

安野 芳樹

安野 芳樹(やすの よしき)君

1983年日産自動車株式会社入社.ブレーキやステアリングを初めとするクルマの運動制御システムの開発を担当.スカイラインやシーマ等,同社代表車種への新技術採用に長年携わる.カルソニックカンセイ株式会社(現マレリ株式会社)を経て,2019年 SOLIZE Engineering(現SOLIZE株式会社)入社.

中里 雄一

中里 雄一(なかざと ゆういち)君

2009年千葉大学大学院工学研究科生物機械工学専攻修了.同年スズキ株式会社入社.CAEを用いた振動開発に従事.2017年よりサイバネットシステム株式会社にて,MBDエンジニアリングサービスに従事.現在に至る.

南部 朋和

南部 朋和(なんぶ ともかず)君

2002年上智大学理工学部電気電子工学科卒業.2002年(株)東陽テクニカ入社後,セールスエンジニアとして自動車産業向けのソリューション提案に従事.2009年より振動騒音の測定,解析ソリューションの提案を続け,現在はプロダクトマネージャ.

三神 貴

三神 貴(みかみ たかし)君

1994年九州芸術工科大学音響設計学科卒.道路交通騒音対策,建築音響設計・測定に長く従事した後,2020年東陽テクニカに入社し,現在機械計測部所属.独Mueller-BBM騒音・振動計測解析PAKシステム,蘭Vibes TechnologyコンポーネントTPAツールを担当.

星野 弘道

星野 弘道(ほしの ひろみち)君

2015年よりシーメンス株式会社に勤務し,各産業向けに,開発の効率化や競争力の強化を実現するための1Dポートフォリオ開発を担当.

チュートリアル2

2(1)「SDGsに貢献する計測制御技術」

主催・企画 

SICE 制御部門 制御技術部会

日時・場所

2022年3月8日(火)10:40~11:40・オンライン開催

講師 

松井 康弘(横河電機)

概要

2015年の国連サミットにおいてSDGsが採択されて以来,企業には事業を通じてこれらの課題を発掘し,解決することが社会から強く求められている.また,SDGsアクションプラン2021の重点事項には,科学技術イノベーションを加速し,社会課題の解決を通じてSDGsの達成を促進すると共に,生産性向上を通じた経済成長を実現し,持続可能な循環型社会を推進することが挙げられている.研究機関による学術研究や科学技術イノベーションには,SDGs達成の手段として大きな役割を果たし,経済・社会の発展を支え,安全・安心の確保においても重要な役割を果たすことが期待されている.そこで,制御技術部会では,SDGs達成に向けて,社会,経済,環境の広い分野に対し,クリーンエネルギー,循環型社会,安全な水,省CO2などの実現に貢献しうる計測制御技術やその応用事例の成果について広く講演を募集し,意見交換を行なう場として,本セッションを企画する.

プログラム

10:40~11:40(60分)ひっ迫する水問題へ下水再生水の飲用化提案 松井 康弘(横河電機)

米国公衆衛生分野の中で新興な位置付けの下水再生水の飲用化事業については,米国環境保護庁 (USEPA) が2012年に再生水ガイドラインを改訂しているが,水質基準や制度施行を州及び事業者に委ねている.カリフォルニア州は,2014年に再生水の地下水涵養に関わる規制 (Groundwater Augmentation Regulation),2016年に貯水池等への放流規制 (Surface Water Augmentation Regulation) を制定し,2023年末迄に再生水の浄水場取水点への循環の合法化 (Direct Potable Reuse Regulation) を目指している.ロサンゼルス市は下水の2035年までの100%回収を掲げている.このように同州は,下水再生水の飲用化事業を全米に先駆けてけん引している. 飲用化事業に向けた技術及び制度情報の体系化は,ロサンゼルス市,オレンジ郡,サンディエゴ市といった大都市圏に留まらず,南カリフォルニア首都圏の中小事業体でもマスタープラン等を策定し,予算化に向けた調査,実証,設計,議会審議を経た承認の計画を見据えている.このような事業者と共同で,下水再生水の飲用化実証事業に参加し,一般的な下水処理からなる水再生施設から,限外ろ過膜,逆浸透膜,紫外線促進酸化処理からなる高度水処理を通じて,飲用水に至るまでの施設の運用課題に着目した.必ずしも,高度な水処理施設の操業に慣れていないユーザ視点から,最適操業の支援は,今後の重要性を増すと考えられるが,AIや機械学習を導入するにあたり既存施設で遭遇する課題と解決事例を紹介する.

講師略歴

松井 康弘

松井 康弘(まつい やすひろ)君

横河電機株式会社マーケティング本部イノベーションセンターマネージャー(2019年より現職).2019年まで国内プラントエンジニアリング会社およびJICAコンサルタント会社に勤務し,アジア・アフリカ・中南米の水資源開発及び開発途上国の水道・浄水施設,中東海水淡水化施設,米国下水再生水施設の調査,設計事業に従事.専門は有機膜,無機膜,吸着,ろ過分離等水処理技術を用いた施設のコンサルティング,実証,設計,運営.東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻修了.博士(工学),技術士(上下水道部門),NPO法人JDA協会理事.

2(2)「農林業分野への計測制御技術応用」

主催・企画 

SICE 制御部門 制御技術部会

日時・場所

2022年3月9日(水)10:30~11:20・オンライン開催

講師 

岡崎 和之(農林水産省)

概要

農林業分野では,従事者の高齢化や労働力不足が深刻化しており,ロボットやAI, ICTなどの先端技術を活用することで,省力化・効率化・高品質生産を実現する取り組みが推進されている.それらの技術の基盤となる計測制御技術やシステムインテグレーション技術など,スマート農林業実現に向けた研究・開発成果の発表ならびに意見交換の場として本オーガナイズドセッションを企画する.

プログラム

10:30~11:20(50分)「農林水産研究イノベーション戦略」について 岡崎 和之(農林水産省)

農林水産省では,生産現場が直面する課題を解決するための研究開発や,地球温暖化対策など中長期的な視点で取り組むべき研究開発を総合的に推進しています.「農林水産研究イノベーション戦略」は,日進月歩の科学技術の発展を踏まえ,農林水産業以外を含めた多様な分野との連携によるイノベーションの創出を目指し,実現を目指す農林水産業・関連産業の姿を整理するとともに,研究開発の重点事項や目標を定める「挑戦的な戦略」として毎年策定しているものです.今回は,昨年6月に公表した「農林水産研究イノベーション戦略2021」をご紹介いたします.

講師略歴

岡崎 和之

岡崎 和之(おかざき かずゆき)君

1998年東北大学農学部卒業/2000年東北大学大学院農学研究科応用生命科学専攻博士前期課程修了/2000年北海道農業試験場(現・農研機構 北海道農業研究センター)に採用,テンサイの品種育成とテンサイ共生細菌に関する研究に従事/2021年7月より現所属.

ワークショップ

ワークショップに参加される方は,参加申込時にチェックを入れてください.

「DX時代のイベントベースト制御理論:異分野との架橋」

主催・企画 

SICE 制御部門 事業委員会

日時・場所

2022年3月7日(月)13:00~16:10・オンライン開催

講師 

橋本 和宗(大阪大学),林 直樹(大阪大学),若生 将史(神戸大学)

概要

データから新しい知見・価値を創出するDX (Digital Transformation) 時代が到来しています.DX時代においても,IoT (Internet of Things) やCPS (Cyber-Physical Systems) が重要になっています.CPSでは,IoT技術を活用して,サイバー空間(クラウドなど)が大量のデータを収集・分析し,物理空間にフィードバックしています.新しい価値を創出するためには,大規模・複雑化したシステムに対して,通信負荷を考慮した高性能な制御手法の開発が求められています.イベントベースト制御とは,イベント(事象)が発生したときのみ,制御入力の更新や計測値の収集を行う手法です.通信負荷を抑制した高性能な制御が実現できます.本ワークショップでは,機械学習,最適化,無限次元システムという3つの視点から,イベントベースト制御理論の最新の研究成果を紹介します.最新の成果を俯瞰することで,制御や通信,機械学習,最適化という異分野を融合した萌芽を議論することを目指します.

プログラム

13:00~13:05(5分)概要説明
13:05~13:55(50分)ガウス過程回帰を用いた自己駆動型制御器の設計 橋本 和宗(大阪大学)

ネットワーク化制御システムでは,様々な制御対象がインターネットなどの通信ネットワークを介して制御されます.そのような制御システムでは,ネットワークの通信リソースを考慮するためにも,アクチュエータに印加する操作量を決定する制御方策に加え,制御対象とコントローラが「いつ通信するべきか」という通信方策も適切に設計することが必要不可欠です.本講演では,特に制御対象のモデルが未知であるケースに対し,ネットワークの通信リソースを考慮した制御・通信方策の設計法を紹介します.具体的には,制御対象の数理モデルをガウス過程回帰により学習し,その学習結果から制御及び通信方策を最適制御ベースで設計する手法を紹介します.

13:55~14:05(10分)休憩
14:05~14:55(50分)事象駆動型通信によるマルチエージェントシステムの分散最適化 林 直樹(大阪大学)

IoTの進展とともに,多くのサブシステムがネットワークを介して接続された大規模ネットワーク化システムの制御や最適化が注目されています.このような大規模ネットワーク化システムでは,接続されるデバイスの数が増えるにつれて,限られたネットワーク資源を有効に利用することが重要となります.また,小型IoTデバイスの中には,利用できるバッテリ容量が制限されることもあります.本講演では,ネットワーク帯域を有効に活用し,通信による消費電力を削減する最適化法として注目されている事象駆動型の分散最適化について紹介します.

14:55~15:05(10分)休憩
15:05~15:55(50分)無限次元システムの事象駆動型・自己駆動型制御 若生 将史(神戸大学)

事象駆動型・自己駆動型制御では,システムの状態に依存して,測定値や制御入力の更新間隔が変化します.一方で,機器の処理速度に限界があるため,更新間隔をいくらでも小さくできるわけではありません.そのため,事象駆動型・自己駆動型制御系の設計に際し,少なくとも更新間隔の下限が0にはならないことを保証する必要があります.本講演では,偏微分方程式や遅延微分方程式で記述される無限次元システムに焦点を当て,安定性と更新間隔の下限の解析に関してこれまでに得られた結果を紹介します.

15:55~16:10(15分)総合討論

講師略歴

橋本 和宗

橋本 和宗(はしもと かずむね)君

2018年,慶應義塾大学大学院理工学研究科後期博士課程修了.同年4月~9月,スウェーデン王立工科大学大学院電気工学科ポスドクフェロー.同年10月~2021年3月,大阪大学大学院基礎工学研究科特任研究員及び特任助教.2021年4月より大阪大学大学院工学研究科助教となり,今に至る.モデル予測制御,ネットワーク化制御,形式手法の制御理論への応用に強い関心を持つ.計測自動制御学会,IEEEなどの会員.

林 直樹

林 直樹(はやし なおき)君

2011年大阪大学大学院基礎工学研究科博士後期課程修了.同年京都大学大学院情報学研究科研究員,2012年大阪大学大学院工学研究科助教,2020年大阪大学大学院基礎工学研究科准教授となり現在に至る.マルチエージェントシステムの分散最適化,協調制御などの研究に従事.計測自動制御学会,システム制御情報学会,電子情報通信学会,IEEEなどの会員.

若生 将史

若生 将史(わかいき まさし)君

2014年京都大学大学院情報学研究科博士後期課程修了.カリフォルニア大学サンタバーバラ校客員研究員,千葉大学大学院工学研究科特任助教などを経て,2020年,神戸大学大学院システム情報学研究科准教授となり現在に至る.博士(情報学).無限次元システムやネットワーク化システムに関する研究に従事.計測自動制御学会,システム制御情報学会,日本数学会,日本応用数理学会,IEEEの会員.